「冷蔵保管」お刺身やお寿司は案外歴史が浅い?

今のご時勢、お魚のお刺身は多くの人に食べられ海外の人からの関心も大きいお料理ですが、ある日ふとお寿司の歴史を研究した本を読んで「そりゃそうだよな」と驚いたことがあります。
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「味のついていない」お刺身は、冷蔵技術が広まる近年までほぼ存在しなかったのです。

そりゃあ船の上の漁師さんや漁村などでは食べられていたのでしょうが……たぶんそれ以前は無かったんじゃないでしょうか?
ちなみにそれまではどうしていたかというと、酢や醤油に塩に麹だの各種調味料に漬けて保存期間を長くしていたそうです。だから自動的に味がついたわけですね。

冷蔵技術が発展したのは電気技術が発展するまで待たなきゃいけなかったわけですから、本当に「魚本来の味を楽しむ」とされている刺身って案外歴史が浅いもんなんですねぇ。
日本では(海外でもありましたが)冬の間に大きく切った氷の塊を、地下や洞窟などの夏でも気温の低いところに保管するといういわゆる「氷室」がありましたが、どこにでもポンと建てられるもんじゃないですからねぇ。
始まったばかりの冷蔵庫には、電気系統などの技術は一切使われておらず、氷屋さんから購入した氷の塊を放り込んで冷やすというものもありました。今でもアンティークなどに興味がある人は知っているかもしれませんが。

いずれにせよ、鮮度を大切にしたお刺身や握り寿司というのは意外と現代的な食べ物であったのだなぁ、冷蔵技術ってすごいなぁ、と思ったりした今日この頃でありました。

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Posted by yamawp